普門軒の禅寺日記・京都の宿坊・お寺に泊まる

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幸せについて

「幸せ」という言葉がある以上、「幸せ」という意味がありますが、それまで禅で言うところの、一枚になって「幸せ」について考えてみたことはありませんでした。

このトラの臨終を機に、いろいろな方から有り難い言葉や、励ましのメール、電話をちょうだいしております。東京から日帰りで見舞いに来てくれた投宿者の方もいます。

私はそのことを通して、あー幸せだなーと感じました。

幸せとは「一人でない、まわりとつながっている」ことを実感できる状態のことを言うのではないかと、今思うわけです。人は一人ではなく、まわりとつながっているんです。でもそのことを日頃は実感できない暮らしの中にいる場合が多い。

現代に生きる私たちは、思想体系、経済、教育、政治、そして生命など、あらゆる事象の根本を、「個人的自由の尊重」と「唯物的経済の繁栄」においています。つまり「個人的自由の尊重」と「唯物的経済の繁栄」をもって幸せであるととらえているわけです。

同時に多くの人たちが、なんらかの不安を感じ、悩み苦しんでいる。それは「個人的自由の尊重」と「唯物的経済の繁栄」だけでは、幸福感は満たされないということに他なりません。

仏教は「諸行無常」と「諸法無我」を根本とした世界観の中に行きます。諸法無我と個人的自由の尊重は大きく違います。諸行無常と唯物的経済の繁栄も大きく大きく違います。

諸法を無我にとらえるからこそ、あらゆるもののとつながりに安寧を感じ、生かされていることに感謝します。
諸行を無常にとらえるからこそ、今を必死に生きることに力を注ぎます。

「幸せとは一人では成立し得ません。人と人との関係性においてのみ成立するのです」とチベット仏教のある和尚さんがそう仰っておられます。
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by fumonken | 2011-09-30 12:32 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

今日の寅次郎

昨日の晩は近くの中学生がお別れに来てくれました。その子の「和尚さーん」という声に、トラはむくっと立ち上がります。そしてトラはその子の回りをよたよたしながら、ぐるぐると回ります。

「トラ、もう死んじゃうの?」
「そうだよ。もうすぐ死んじゃうよ。よく見とくんだぞ、生きること、死ぬことを見せてくれてるんだからな」

トラが横になると、その子は優しく優しくトラをなでてくれます。

時間になり、お母さんが迎えに来るまで、送っていってあげると、お母さんを見た瞬間、彼女は泣き崩れました。こういう経験をしてもらえ本当に好かったと思います。死んじゃったよと言う事後報告と、死んでしまう過程を自分の身体で看取するということでは、大きな違いがあります。きっと彼女も大きくなったとき、この経験をあらめて感じてくれることと思います。
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by fumonken | 2011-09-30 12:01 | 日課抄・歳時記 | Comments(1)

昨日の晩はいっしょに坐禅をしました

昨日の晩、またトラがふらふらとしながら、歩きたいようでしたので、じゃあいっしょにお経読もうと思い、本堂に連れて行きました。

私が読経をしている最中に、ふらふらとトラは歩いています。仏さんの方に行ったり、私の横に来たり。

お経も終わりそうなころ、トラは疲れたのでしょうか。ふと腰を下ろしたところは、私の坐禅布団です。坐禅布団に腰を下ろしました。

これはトラといっしょに坐禅をしようと思い、一時間ほど、二人で坐禅をしました。坐禅の終え、私が立ち上がり、障子戸を閉めていると、トラも立ち上がり、私の方に歩いてきます。

「坐禅のわったな、じゃあ、もどろうか」

二人いっしょに坐れました。本当にあっという間の坐禅でした。
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by fumonken | 2011-09-30 08:46 | 未分類 | Comments(0)

虫の音が

トラがまた夕暮れによたよたと歩き始めます。草むらの方に歩いていきます。虫の音があたりから聞こえてきます。たくさんの音色に包まれます。私が草むらに入ると音は止みますが、トラが入っていっても止みません。トラがじっとしている先には、小さな虫がいました。

トラの臨終を前にして、これまで気がつきませんでした。あのたくさんの虫の音も、命の音なんだと言うことを。あの音色の多くは、去年の音色ではありません。同じ音色に聞こえますが、同じ虫の音はありません。命が消えていくのです。でも来年また、私たちは虫の音を聞くことができます。新しい命が生まれるのです。

私は三十九歳にもなって、これまで気がつきませんでした。あの虫の音も、ひとつひとつが命の音色なんだよと、トラが教えてくれました。トラのおかげで、そのことを本当に実感することができました。明日もまた命を音色を聞くことができます。
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by fumonken | 2011-09-29 22:54 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

今ひとつの命が

月末に祖母に会いに帰郷する予定でしたが、トラの事があるので、その旨、祖母に電話しました。やっぱり祖母と話をしているうちに、感情がこみ上げてきます。祖母はそれでもしょうがないねー、寿命だからねー、トラは幸せだったよ、気を落としたらいかんよって声をかけてくれます。

おばあちゃんという大きな大きな存在。トラの臨終を通して、いろいろな方がメールや電話をくれます。

東京から日帰りでお見舞いに行くと言ってくれた投宿者の方もいます。数年前にお泊まりになった方からも、電話がありました。

病院に通い、薬を投与されるよりも、好かったと思います。お医者さんが仰ってとおり、数日の命になりそうです。

でもトラは今の今も、一生懸命生きています。よたよたになりながら、一生懸命に生きています。私はそれを目に焼き付けておかねばなりません。
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by fumonken | 2011-09-29 19:36 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

ありがとな

先ほど、トラがむくっと立ち上がり、よたよた歩きで、あたり動き回ります。最後の外の散歩に歩きたいのかと思い、外に出してやりました。よたよたとトラは歩きます。もうあまり方向感覚のないトラです。しばらくすると草むらの方に入っていきます。こっちだよと行って向きを変えると、またそちらの方に歩き始めます。そうすると、しゃがんで「シャー」っとおしっこをし始めました。そこはトラのいつものおしっこの場所です。

「トラ、ありがとな」

本当に心の底から思いました。本当にトラはいい子です。
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by fumonken | 2011-09-29 16:07 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

もう少しだね

今朝、坐禅をしているときに寅次郎が本堂に入ってきて、仏様の方に歩いていきました。そして私がお経を読む場所でちょとっこ座り、戻っていきました。後にも先にもトラと坐禅の時間を過ごしたのはこれが初めてでした。本当に有り難いことです。

トラは平成十四年の秋に、もらってきた犬です。生まれて三ヶ月でした。それから十年近く経ちました。私が出家する前から飼っていた犬です。トラのおかげで、近所の人とおつきあいしやすくなったり、トラには本当に助けてもらいました。

普門軒に来てからも、近所の人たちや子供たちもよく遊んでもらい、本当に好かったと思います。

今、トラは私の側で横になっています。平均寿命には少し早いですが、今日か明日、トラの寿命は終えることになるでしょう。
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by fumonken | 2011-09-29 13:35 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

今日の寅次郎

食に通じている信頼おける友人に、トラのことを話したら、玄米のおかゆのいいということで、さっそく、玄米おかゆに切り替えました。

昨日、獣医へ行って、先生から大波のごとく「不安」を浴びせられた感じを受けたのですが、彼からは「安心」に包み込まれた感じがしたのです。とにかく、お医者さんは「ここが平均値よりもこんなにわるい」「それは是と是の関係でこうなって悪い」とか、とにかく「悪い」「まずい」とかいう言葉しか頭に残りませんでした。聞いている私も病気にかかった感じがしました。

もちろん、獣医さんは助けたいという一心だとは思いますが、その方法論と目標(生きるということに対する)があまりにも私の世界観と違いすぎて、これはあかんなっと直感した次第です。

今日も寅次郎は相変わらず、元気はありません。

でも今日、広島の百姓の友人から、「寅次郎に玄米を食べさせてやってくれ」と、新米を送ってくれました。寅次郎は、病院に行って点滴も抗生剤も打ってもらえませんが、友人からの心のこもった新米を食べることができ、本当に幸せだと思います。
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by fumonken | 2011-09-28 17:31 | 日課抄・歳時記 | Comments(2)

自然に逆らわず

宿坊にお泊まりの方や友人には大変かわいがっていただいている飼い犬の「寅次郎」。今年で九歳になりますが、夏ばてかと思っていたのですが、急にやせてどうも様子がおかしい。今日になって、獣医さんに見ていただきました。

検査の結果を説明していただきました。しかし、正直申しまして、90%以上、日本語とは言えない説明に大変閉口いたしました。本当に、私の知識不足、教養不足もありますが、獣医さんの仰っていることが、何が言いたいのかわかりませんでした。

結局のところ、腎臓と肝臓が非常に悪い状態で、それに伴い脱水症状と貧血がはげしく、とても危険な状態という結果なのかなって、思った(わかった?)わけです。

治療方法は点滴と抗生物質を毎日、投入(?)するそうです。それを一ヶ月から二ヶ月程度、続けるそうです。それで元気になれば、いいですねと言うわけです。

でもどうしても、そういう治療行為が私自身、受け入れられなかったので、お医者さんにはお断りして、医学的治療は止めることにしました。

それでいいと思います。それでいいんです。いいよね、寅次郎。
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by fumonken | 2011-09-27 21:20 | 日課抄・歳時記 | Comments(1)

歴代住職様のお墓の整備

念願の、歴代和尚様のお墓の整備に取りかかりました。私一人ではどうしようもできないので、偶然にも男性が三人(みんな一人ずつこられた方です)、泊まられたので、これを機に作業開始。

1.ここにお墓を移します。
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2.さて作業開始です。ここに大きな板状の石を据え付けます。段取りが最も大切です。
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3.この板状の石を運ぶのには本当に難儀しました。石の下に丸太を敷いてころがします。
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4.あらかじめ掘っておいた場所にうまく設置します。
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5.どうです。見事にはまりました。
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by fumonken | 2011-09-17 17:49 | 作務 | Comments(0)