普門軒の禅寺日記・京都の宿坊・お寺に泊まる

ブログトップ

カテゴリ:日課抄・歳時記( 441 )

反復とズレ

以前、小津安二郎監督の映画の本質、根源にある文脈を「反復とズレ」だと、吉田喜重監督はおっしゃっておられた。

「映画『父ありき』のある場面。川で父親と息子が並んで釣りをする。その反復動作。それの繰り返し。それがいつの間にかズレていく。それが父と子が他人になるというふうに私にはうつった」

こうおっしゃっておられる。

「反復とズレ」。なるほど小津映画は確かに「反復」の連続であり、その些細な「反復」の日常を描いている。その中に、独り立ちや結婚、また死といった「ズレ」が描かれる。

「反復」は永遠ではない。いつかは「ズレ」を迎える。生老病死。しかし「ズレ」も永遠ではない。

反復とズレ。どちらも受け入れなくてはならない。反復も無常であり、ズレもまた無常あろう。
[PR]
by fumonken | 2015-05-19 10:34 | 日課抄・歳時記 | Comments(1)

「寺」という字

「寺」という字は非常に興味深い。
「土」と「寸」に分かれるが、「土」はもともと「止」という字で、【使う】という意味がある。「寸」は【手】という意味であることから【仕事をする】という意味になり、ひいては、【仕事をするところ・役所】という意味があったそうである。
時代がさらに下って後漢の時代から、仏教の事務・仕事を行う【てら】という意味になった。

さら「寺」を音符とする時をみると、すこぶるおもしろい。

仕事のできる人が「侍」であり、仕事の日が「時」である。
また、仕事を手すれば「持つ」ことになり、仕事とはコツコツと行うことは、「待つ」ことである。さらに仕事に心と書いて、「恃む」というように、仕事の肝心なことは、己を信じ、自らをあてにせよというのである。孫子に曰く「吾の以って待つ有ることを恃む」というところであろうか。

そして、仕事を通して互いに語り合えば、それが「詩」となるのである。

「寺」とはまさに仕事をするところ、畢竟、己を生かすところである。若い者よ、己を生かしに寺に来い。
[PR]
by fumonken | 2015-05-05 09:39 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

気風、気っ風、気立て、気質

久しぶりのブログであるが、ちょっと気になったことを。
ちょっと気になったことの、「気」である。

知人とこんな話題になった。知人の知人がethicsmorals(倫理)を「気風」と訳したという。

気風とはどんな意味なのか問われ、なかなかうまく答えられなかった。

いろいろ調べてみると、気風とは「気立て、気質、性格」などとある。倫理とは違うようだ。知人に伝えてあげようと思う。
[PR]
by fumonken | 2015-04-21 11:08 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

孫子

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」。孫子の言葉であるが、その孫子は「知によって勝つが第一」「威によって勝つが第二」「武によって勝つが第三」とおっしゃっておられる。
[PR]
by fumonken | 2015-02-11 19:42 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

国民の祝日について

昭和23年まで「国民の祝日」とは言わなかった。「祝祭日」と言った。祝日と祭日を合わせた呼び名で、「国民の祝日」同様に休日であった。

昭和28年の祖父の日記がある。最初のページに略暦がある。「国民祝日」には、
元旦1月1日
成人の日1月15日
春分の日3月21日
天皇誕生日4月29日
憲法記念日5月3日
こどもの日5月5日
秋分の日9月23日
文化の日11月3日
勤労感謝の日11月23日
と9日間の祝日が書かれている。62年たった今、6日間増えている。

明日は「建国記念の日」あるが、終戦後GHQによって廃止されたので、昭和28年にはない。昭和41年になってようやく復活した。しかし名称は当時の政治状況により、「紀元節」から「建国記念の日」に変更された。
[PR]
by fumonken | 2015-02-10 19:18 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

「持っている」

英語で「have」と言えば、「持つ」である。「持つ」と言うことは、何かを所有するという意味である。

しかし、英語のhaveには「所有する」という意味だけではない。

たとえば、関係性を表す場合、
They have two children. 彼らには2人の子供がいる。

身体部分・身体特徴・特質・能力などを表す場合、
I have a sweet voice. 私は美しい声をしている。

感情を表す場合、
I have a grudge against him. 私は彼に恨みがある。

病気などにかかっている場合、
I have a cold. かぜをひいている。

「所有」と言うことは、自分ではないものを所有すると日本語では考える。たとえば、
She has a sweet voice. 彼女は美しい声をしている。声は私自身なのか。恨みという感情は私自身なのか、かぜは私自身なのか。それとも私とは違うものなのか。
[PR]
by fumonken | 2015-02-03 21:07 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

薩摩の男の子

先日、『翔ぶが如く』を見ていたら、

「薩摩ン子ばなー、人に引けをばとんな、うそをつくな、不作法すんな、親に口答えば許さんち育てるのが、女親のつとめでごわんど。あんたの男ン子ば産んだら、心を鬼にして強か母親になってくいやらんとな。」

こんな台詞があった。いつの時代にも必要だなと思った。
[PR]
by fumonken | 2015-01-26 20:45 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

虚しい道

私は得度(出家)して、名をいただいた。「虚道」(きどう)と言う。普門軒の住職についてから、家庭裁判所に行って、戸籍上の名前の変更をした。

虚しい道という。今年4月で43歳になるが、この年になってようやく、己の人生に対して、素直に虚しさを感じるようになれた。己の人生だけではなく、この世の中に対しても虚しさを感じられる。この世は虚しいものだ。

あー、ありがたい。
[PR]
by fumonken | 2015-01-08 15:49 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

「今年の漢字」

1年の世相を表す「今年の漢字」に、『税』がが選ばれた。消費税率が17年ぶりに引き上げられたこと、10%の引き上げが議論されたこと主な理由らしい。

『税』であるが、「禾」は、いね。わら。また、穀物の総称を表す。また「兌」は神の言葉を説き分ける人の意味であったらしい。「兌」は喜ぶ。通ずる。とける。あつまるなどの意味がある。

鋭い。説く。悦ぶ。閲っする、蛻(もぬ)ける、脱っするなど「兌」の字を用いる。
[PR]
by fumonken | 2014-12-12 17:20 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)

干支の漢字はなぜ?

来年の干支は羊だが、漢字で書くときは「未」と書く。干支の漢字はなぜ普段の動物の漢字と違うのか。十二支は、もともと農業暦であり、農業用語であったそうだ。

1月「子」とは、「増える」という意味。草木は子孫を増やそうと成長しはじめる種子の時期。
2月「丑」とは、「曲がる」「ねじる」の意味。草木の種は芽が出始め、地上に出ていない時期。
3月「寅」とは、「伸び上がる」という意味。草木は少しずつ成長していく時期。
4月「卯」とは、「さかんに茂る」という意味。蒔いた草木は若葉として茂っていく時期。
5月「辰」とは、「動いて伸びる」「整う」という意味。草木がことごとく震い動いて伸びていく時期。
6月「巳」とは、「子宮が胎児をつつむ」という意味。草木に種子ができはじめる時期。
7月「午」とは、「上下が交差する」という意味。草木の成長期から衰退期に交差する時期。
8月「未」とは、「まだ」という意味。草木の果実に味が生じ始めた時期。
9月「申」とは、「手を伸ばす」という意味。草木が伸びきり、草木の果実が成熟して堅くなっていく時期。
10月「酉」とは、「口の細い酒つぼ」の意味。草木の果実が成熟する収穫し、作物から酒を抽出する時期。
11月「戌」とは、「滅びる」という意味。草木が再び枯れはじめる時期。
12月「亥」とは、「とざす」の意味。新たな生命「子」が宿り閉じ込められている時期。

非常に興味深い。
[PR]
by fumonken | 2014-12-10 13:39 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)