普門軒の禅寺日記・京都の宿坊・お寺に泊まる

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「鮮明な冬」   高村光太郎

「鮮明な冬」   高村光太郎

黒船以来の総決算の時が来た 民族の育ちが それを可能にした

長い間こづきまわされながら なめられながら しぼられながら

仮装舞踏会まであえてしながら 彼らに学び得るかぎりを学び

彼らの力を隅から隅まで測量し 彼らのえげつなさを満喫したのだ

今こそ古にかへり 源にさかのぼり 一瀉千里の奔流となり得る日が来た

われら民族の此の世に在るいわれが はじめて人の目に形となるのだ

ひよどりが鳴いている 冬である 山茶花が散っている 冬である

だが昨日は遠い昔であり 天然までが我にかえった鮮明な冬である
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by fumonken | 2014-09-08 20:14 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)