普門軒の禅寺日記・京都の宿坊・お寺に泊まる

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Kawaii

Kawaii。Hawaiiではありません。カワイイです。近年、日本のファッションや音楽、アニメなどの文化は、海外でも人気が高まっています。中でも「Kawaii」という感覚がはやっているようです。英語で「Kawaii looks」とは古風な少女、または可愛い少女の格好を意味していて、フリルやレース、頭にリボンの飾りをするファッションを「Kawaii」というように使いますね。

その「Kawaii」ですが、もともと「顔映ゆし」と書き、「かほはゆし」と読みます。「かほはゆし(顔映ゆし)」→「かははゆし」→「かはゆし」→「かわゆい」→「かわいい」という音に変化したと考えられいます。

「顔映ゆし」は、顔+映ゆしですが、「はゆし(映ゆし)」は「まばゆし(目ばゆし)」が「目を開けていられない」くらいの感情を表す言葉です。「相手がまばゆいほどに(地位などで)優れていて、顔向 けしにくい」という感覚で「気恥ずかしい」の意であり、それが転じて、中世には「いたわしい」「気の毒だ」の意に転じ、不憫な相手を気遣っていたわる意味になります。

中世といえば、日本的なる美意識が生まれ始めた時代です。「いとをかし」「幽玄」「はかなさ」「もののあわれ」…。それらに共通している美意識は、小さいもの、かすかな音、ほのかな動き、弱いもの、不憫なものに対して手を差し伸べたくなる美的感情です。小さなもの、不憫なものに対する気の毒さ、いたわしさが、やがて愛おしさに転じて、「かわいい」という意味につながっていきます。

実はこれらの美意識を表す言葉は、何を隠そう、仏教の小さな命に対する慈悲の感情、命に対する無常観が日本語として成立したと言うことなんです。

ただ視覚的に「かわいい」と思うのではなく、この小さな命に対して慈悲、そして命も永遠ではない無常観をもって見ることで、日本的な奥深い美意識を持つことになっていくでしょう。「いとをかし」「幽玄」「はかなさ」「もののあわれ」、そして「かわいい」。大切にしたい日本の美意識です。
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by fumonken | 2013-11-10 17:05 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)