普門軒の禅寺日記・京都の宿坊・お寺に泊まる

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床座と椅子座

床座。今ではこの字を読めない人も多くなってきたのではないでしょうか。「ゆかざ」と読みます。床座というのは、椅子やテーブル、ベッドを使わず(もしくはしまう事を前提として)、直接に床の上を生活面とする生活スタイルのことです。床座は靴を脱いで暮らす日本文化の象徴的な様式です。

床座の特徴は天井が低い。それは家具を置きっぱなしにしないからです。家具を置きっぱなしにしないから、空間が広く、掃除もしやすく、非常に清潔です。何よりもものが少なくて済む。シンプルライフの極みです。

私の大好きな映画監督、小津安二郎の作品の多くはローアングルといって、低い視点から撮影するカメラの撮影技法を取り入れています。それは多分に日本の生活が床座であったことが関係していると思います。

一方、椅子座というのは椅子やテーブルを置いたままにして、その置いたままの家具を生活面とする生活スタイルのことです。椅子座と家具の多さ・種類は実に比例しています。

寝食分離(寝る部屋と食事をする部屋を分ける思想)、1950年代に西洋から入ってきて以来60年、今では日本の一般家庭はすっかり椅子座の生活スタイルが主流になり、結果的に床座の文化は壊滅的になりました。

ちなみに椅子座の文化にとっては、同じ座るための家具である、椅子とソファーは全く違うものだそうです。あなたの生活スタイルは床座ですか。椅子座ですか。
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by fumonken | 2013-09-13 15:48 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)