普門軒の禅寺日記・京都の宿坊・お寺に泊まる

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正統性と正当性

今、エジプトがまた混乱しております。2年前の「アラブの春」。今の大統領は選挙で選ばれたと言います。しかしながら今、エジプトは大きな混乱の中にあります。大統領は2日、国民に以下のように仰ったそうです。

「脅しや暴力で憲法に干渉する権限は誰にもない。神はお許しにならない。憲法の正統性を変えたり新たな制度を作る権利は誰にもない」


私はこの「正統性」という言葉が気になりました。「憲法の正当性」なら、憲法が言う正しいことなのですが、「憲法の正統性」とは、憲法が正しいこととは何かと言える根拠と言えます。

語源的にみると、正当性(legality)と正統性(legitimacy)はもとは同じ「法」という言葉から派生したそうです。特にlegitimacyは「嫡出」という家族法的意味をもちました。そのことを「正しいと言える根拠=正統性」としました。ですから非嫡出子が合法的に王位に就いたとしても、その正統性(legitimacy)は問題になるわけです。

今多くの国の体制は君主制ではなく、民主制になっております。民主制にとっての「正統性」とは何なのでしょうか。民主制にとっての「何が正しいと言える根拠」何なのでしょうか。

君主制にせよ、民主制にせよ、「正統性」と「正当性」が合致しているときは安定するのですが、それらが対立または乖離したとき、国は乱れます。

ちなみに私たちの国「日本」は、世界一長い2600年に渡る「正統性」をもった君主がいらっしゃいます。長い歴史を見ても、その日本人の中の「正統性」と「正当性」は比較的バランスよく安定していたのだと思います。その結果が世界で一番長い、現存する最古の「国」であると言うことです。

またエジプトの人々の中の「正統性」と「正当性」も早く安定してほしいものです。
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by fumonken | 2013-07-03 14:00 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)