普門軒の禅寺日記・京都の宿坊・お寺に泊まる

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お寺にとっても最も大切な式・・・得度式

我々の人生には、入学式、卒業式、成人式、入社式、結婚式など、人生の節目にいろいろな儀式あります。みなさんにとってそういった儀式はどんな思い出が残っていますか。
畢竟、私もこれまでの人生を振り返ると、そんな儀式よりも、その後の打ち上げや披露宴の出し物などの方が、むしろ思い出に残っています。儀式のときに際にいわれた言葉など、もちろんなんにも覚えてはおりませんし、その儀式の空気など思い出すこともできません。

お寺にも年間を通して、また臨時の式として、いろいろな儀式を行います。
昨日、普門軒では得度式(とくどしき)を行いました。得度式とは、在家(ざいけ:お坊さんでないもの)が、出家して僧侶、仏の道を目指すものが生まれる儀式で、お寺にとっても何よりも大切な儀式です。

私の師匠はこれまでに何人もの弟子の得度式を行ってきました。私も自分のものも含め、何度かその場に立ち会わせていただきました。得度式は本当にいいんです。得度するものの振る舞いは、どこかぎこちなさがあるのですが、その目はまっすぐで、顔には無数の汗が流れ、その姿勢は、必死で、ひたむきさが全面に現れ、本当に生きるとはこういうことだったのか、道に進むとはこういう事かと思わせてくれます。

その式には入学式や結婚式などとは違って楽しさや悲しさ、華やかさなどは小れっぽちもありません。ただあるのは厳かさと厳しさだけです。またその厳しさが、まわりの参列者にも伝わり、引き込まれています。ただ伝わるのではなく、己はどうなんだと、振り返えさせられ、引き込まれていくんです。

とかく楽しいこどうか、自分にとって利はあるかどうか、そんなことを判断基準にしてしまいがちの我々ですが、あえて厳しい道に立ち、歩まんとする人生を選ぶものを間近に目にしたとき、人は本来あるべき姿、歩むべき道とはこれだったよなと気づかされます。

昨日は、珠音のために、九州から東京まで、遠方より式への参列のみならず、お手伝いもしてくれたみなさん、本当にありがとうございました。珠音にはみなさんの思いは伝わっています。これからも末ながくご指導ご鞭撻のほどお願いします。そしてどうぞ、これからもいっしょに道を歩まんことを。
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by fumonken | 2012-07-16 16:17 | 日課抄・歳時記 | Comments(1)
Commented by 大円寺 at 2013-03-17 21:56 x
おめでとうございます。音さんとは天衣寺で共に初めての禅学林を受講しました。
予定通りであれば、同じ雪安居から入門するはずが、歯車の噛み合わせでまだ在野におります。
音さんのキラキラ真っ直ぐな目を忘れられません。
きっと、よい尼僧さんになられるでしょうね。