普門軒の禅寺日記・京都の宿坊・お寺に泊まる

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不潔とダサイ

先日、檀家さんとお話をしていて、こんな言葉を久しぶりに聞きました。「あんな服装は不潔やわー」。70も半ばを超えたおばさんが、今の若い女性の服装をみてこうおっしゃっていました。「不潔」。決して汚いという意味ではありません。今の言葉で言うならばダサイ、格好が悪いという感じかもしれませんが、ちょっと違います。

小津安二郎監督の映画に晩春という映画があります。娘は父親の再婚話に対して、こういいます。「いや、お父さん、いや、不潔よ」。こんな台詞があります。

不潔とは清潔ではないと言う意味になるでしょう。汚いと書いて「きたない」と読みます。また同じ「汚」という漢字を使って、汚らわしい「けがらわしい」と読みます。おばさんや、映画の娘さんの言った「不潔やわ」という言葉は「汚らわしい」という意味ではないでしょうか。

「潔」という字は、潔い「いさぎよい」と読みます。潔さはちょっと昔の日本人にとって非常に高い徳でした。そういう世代を超えた、誰もが共有していた「徳」がどんどん、どんどん失われていきます。失われて何になっていくか、それは世代や仲間内にしか通じない「価値観」というものに変わっていったのです。
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by fumonken | 2010-04-27 09:29 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)