普門軒の禅寺日記・京都の宿坊・お寺に泊まる

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名前の話その三

名前の話ですが、本を読んでいますと、なかなか興味深いものです。名前と言っても、性、氏、名、諱、名字、苗字などありますね。多くの文化圏の名前は、ご承知の通り「所属を示す名前」と「個人を指す名前」と言う構造になっています。それが名→姓、または姓→名となったりする違いがあります。文化圏によっては、ミドルネームがあります。ミドルネームは信者としての名前や親、祖父母の名前もいっしょに用いるところもあるそうです。ネイティブアメリカンは「所属名」を用いなかったそうです。これは不確かですが、そういえば、アイヌ人の名前ですが、シャクシャインとか、コシャマインとか、マメキリとか「個人名」だけですね。モンゴル人も「個人名」だけだそうです。同じモンゴロイドのつながりはあるのでしょうか。

ということで日本人の名前。「所属を示す名前」を正式には「氏(うじ)」といいます。今では姓(せい)または苗字・名字(みょうじ)とも呼ばれていますが、正式には「氏」と言うのが正しいです。そして「個人を指す名前」を「名(な)」と言います。日本人の名前の表記は「氏」と「名」、つまり氏名です。

漢字文化圏の国々との違い
漢字を使うこと、姓→名の順は他の漢字文化圏と同じです。
1.しかし他の漢字文化圏が父系夫婦別姓ですが、日本は夫婦同姓です。
2.氏名の構成は一文字+二文字がほとんどですが、日本ではその傾向は全くありません。中には勘解由小路(かでのこうじ)さんといって五文字の氏の方もおられます。
3.性の数ですが、中国では約4100種、韓国では約250種あると言われています。日本では実に30万種類以上あるそうです。
4.性の由来ですが、80%以上が地名だそうです。漢性(漢字文化圏の性)の由来も地名が多いですが、祖先の居住地、出身地に由来するので、そう言った意味で、固有地名が多いと言えます。逆に日本は森や川、石など一般地名(自然名)の組み合わせが多いので、その分性の数もずば抜けて多い。これは神道を中心にした日本人の自然観と関係していると私は思っております。

同じように漢字を使い、性→名の順番であることは、他の漢字文化圏の国々と同じですが、文字数や所属名、由来などをみると、その違いをかいま見ることができます。違いとはなにか。それは優劣ではありません。争う要素ではありません。何に重きを置いてきたのかというそれぞれの文化、伝統の違いです。
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by fumonken | 2010-03-05 14:52 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)