普門軒の禅寺日記・京都の宿坊・お寺に泊まる

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戦前は遠くになりにけり

九十五歳で亡くなった祖母は大正二年生まれ。大東亜戦争が始まったときに二十八歳です。これはたびたび思うことなんですが、この世代にとって戦前は戦前であり、戦前とは戦中のことではありません。

私たちが今過ごしている戦後の時代。冷戦期、高度経済成長期、バブル期といったようなある特定の時期がありました。これと同じように戦前の時代にも、文明開化、大正デモクラシーや昭和恐慌といった特定の時期がありました。戦中もその一つなんですね。ですから個人的には戦中と言うよりも、戦中期と呼んだ方がわかりやすいと思います。歴史はいろいろな色でつながっていますが、一色ではありません。戦後の教育が一貫して教えてきた戦前=戦中という一色で染まっているというのは全くの間違いです。これは戦前を過ごしてきた世代と話をしてわかったことです。

ちなみに今年八十歳のお年寄りは昭和四年生まれ。大東亜戦争が始まったときに十一歳、小学五年生です。もう八十歳前後の人にとって戦前は戦中期しか思い出がありません。昭和四十年代、「明治は遠くなりにけり」という言葉が はやったことがあったそうです。平成二十年代、まさに「戦前は遠くなりにけり」となっていきます。
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by fumonken | 2009-04-26 21:51 | 日課抄・歳時記 | Comments(0)